絢音が大好きな先輩を亡くして、引きこもってるってお兄ちゃんに相談した事だった。


お兄ちゃんは、あたしの大事な友達だからって、お見舞いに行ったり、遊びに誘ったり。


毎日、絢音の家まで励ましに行ってくれた。


最初は嬉しかったけど、段々と友達を優先されるのが許せなくなった。



…かまって欲しかっただけ。



だから、いつものイタズラ心のつもりだったのに。



名前が霧生〔キリュウ〕くん。


うちの病院で働く看護師さん。


看護士になって3年目。


担当は小児科。


この人がイケメンで有名で。


顔を見たさに患者がくると噂まであるくらい。


噂は聞いてたけど、実際に会った事がなくて。


暇つぶしに見に行く事にした。


小児科のナースステーションに行くと誰もいなくて。


だいたい、あたしが病院にくるとみんな怖がっちゃうから。


腫れ物に触るかのようで、ムカつくから態度はデカイけど。


しばらくナースステーションで待ってようと、椅子に座ってお菓子を食べてた。


「ダメだよ。ここは、関係者以外入っちゃ。」


背後から優しく注意する男の声。