「尚吾?」


「おうっ!こっそり侵入するはずが、ここが唯の部屋とはな。電気くらいつけとけよ。」


電気のスイッチに手が伸びた。


「やめてっ!!つけないで。」


とっさに大声を出してしまった。


「悪るい。気付かれたらマズいよな。」


ゆっくりあたしの近くに歩いてきた。


「こないで!帰って。」


「なんだよ。助けてとか帰ってとか。」


イラついた声。



----本当は嬉しかった。



ただ、こんな姿を見られたくないだけ。


「せっかく秀に調べてもらって、プリンスが登場したのにさぁ。」


そう言った尚吾が見たのは、ベットの隅にうずくまるあたしの姿。


その首から長い鎖が、ベットの足元まで延びてる。


「お願い…見ないで。」


泣くだけ泣いたはずなのに、まだ涙は止まることを知らなかった。


「…なんだよ…これ…。」


あまりの異常な光景に驚愕してる。


「お願いだから。見ないでよ。」


グイッ!!!


泣いて抵抗するあたしを強く抱きしめた。