どれくらい泣いただろう?


気付いたら夜になってた。


電気をつける気力もない。


明るい部屋にいる気分にもなれない。


ベットにうずくまってるのが落ち着く。


どうせ、今夜もお兄ちゃんは来るのだろう。


拒めない自分が嫌だ。


このまま死んじゃいたい。


ガタガタ…。


何処かから変な音がする。


お兄ちゃん…?


月明かりに照らされた窓ガラスに、大きな陰が見える。


ガタン!!


大きな音がすると、窓が外れて人影が入ってくる。


「痛ッてぇ~!音で気付かれてないよな。」


ボソボソと男の独り言が聞こえる。


逆光で顔が見えない。


「ダレ?!」


「その声は唯だな!?」


聞き覚えのある声。


しかも、唯って名前を知ってる。


まさか…