スピン☆オフ

2時間という小さな密室が、どんなに過酷だったか。


やっと家に辿り着いた時には、精神的に限界になっていた。


部屋に入った瞬間、べったりと床に座り込んだ。


お兄ちゃんは予想とは裏腹に、何をするわけでもなく何を言うわけでもなかった。


そのまま、何処かに出かけちゃったみたい。


夜には帰ってきたけど、特に変化はなかった。


そんな安心感と疲れから、いつの間にか寝ていた。


ぼんやり目が覚めたのが、夜中の1時を回っていた。


なんとなく部屋から出て階段を降りていくと、お兄ちゃんの部屋の明かりだけがついている。


恐る恐る覗いて見ると、普通に勉強してるだけ。


「紗羽だろ。どうした?」


突然の問いかけにびっくりした。


どうして覗いてたのが分かったのか?


お兄ちゃんがゆっくりドアを開けた。