部活の帰りに、バイクに跳ねられたらしい。


「嘘だろ…。ごめん。俺、何の力にもなれなくて。
励ます事しか出来なくて。」


見ず知らずの男の子なのに、助からなかった事を悔しがってくれて。


お兄ちゃんだったら、いいお医者さんになれると思ってた。


クラスメイトが亡くなった事でショックを受けたけど、お兄ちゃんが毎日一緒にいてくれて。


学校も毎日送り迎えしてくれて。


前みたいにいない日はなかった。


おかげでショックは乗り越えられた。


逆にあたしには良かったのかも。


お兄ちゃんと離れなくていいから。


なんて、不謹慎な事を思ってしまった。


奇妙な偶然は続くもので、それから数か月後…。


中学の1コ上の先輩で、かなりカッコイイと評判の先輩がいた。


恋愛感情はなかったけど友達の絢音〔アヤネ〕と


「カッコいいね!」


なんて話してた。


お兄ちゃんは


「そんなにカッコイイのか…。」


なんて、ちょっと寂しがってた。