あれから数ヶ月。


あの後すぐ、霧生のマンションに行ったけど、やっぱり引っ越していた。


あたしの携帯だけは、相変わらず止まっていない。


だから、いつか連絡をくれると信じて待ってるしかなかった。


心のどこかに閉まって、忘れかけた冬の午後---。


「唯ってどこに住んでんだ?」


秀がなんとなく言った。


「突然どうしたの?」


「別に。深い意味はないけど、前のホテル引き払ったみたいだから実家とか思って。実家ってどこなんだ?」


「隣の県だよ。」


「そこから毎日きてるの?」


尚吾がビックリしてる。


「違うよ。今は転々と、ネットカフェとかね。」


秀にバレたのが嫌で、あたしはホテルを引き払ったのだ。


「だったら、オレの所に住め。」


キランと尚吾の目が輝いてる。


「絶対に無理!!」


強く冷たく完全否定。


「あう~。」


尚吾撃沈。


「Gの部屋に住めば?使いたい時もあるから、荷物置き場さえなんとかなれば。」


秀のヒラメキ。