どれくらい眠っただろう?


ゴソゴソと霧生が動いているのが分かった。


トイレかな?


なんて思ったけど、キッチンでガタガタと物音がする。


喉でも乾いて、水でも飲んでるのかな?


そのまま気にせずに眠った。


数秒?

数分?


寝ていたから、時間なんて分からなかった。



ドスンッ!!!



突然、耳元で何かが勢い良く刺さる音がした。


あまりの凄い音に、恐怖で目が開かない。


バタンッ!!


玄関で音がした。


ゴクリと息を呑み、ゆっくりと目を明けて驚愕した。



「………………。」



恐怖で言葉なんかでない。


出てくるのは涙だけ。


声を押し殺し、手で口を押さえ嗚咽(おえつ)さえ押し殺して泣いた。


視界に入る月明かりで何やら光るもの。


耳元から数ミリしか離れていない。