オレの地元は、田舎もいい所で。


地域みんなが家族みたいなものだった。


オレには、近所に憧れてるお姉さんがいて。


そのお姉さんは、頭が良くて美人で誰からも好かれる人だった。


その人の妹と付き合っていたんだ。


お姉さんは憧れの人。


妹は大好きな人だった。


お姉さんには、凄くカッコイイ彼氏がいて。


いつも喧嘩ばかりだったけど本当は仲が良くて。


「幼なじみの腐れ縁。」


いつも笑いながら言ってた。


そのお姉さんは、大学に行くのに田舎を離れた。


その時、寂しがったオレにアルバムをくれたんだ。


「アルバムなら、持っていても妹がヤキモチ妬かないでしょ?」


って、微笑みながらこっそりくれた。


「でも、大事な卒業アルバムでしょ?」


「大丈夫。あたしと彼氏で1冊あれば十分。アイツは、一生側にいると思うから。」


その時のお姉さんは、一番綺麗な笑顔だった。


それから、夏休みも冬休みも大学が忙しくて帰って来れなくて。


オレは彼女から話を聞くくらいだった。


まだ、オレは中学生だったし。


会いに行くことも出来なかったから。