「なんなの?」


思わず独り言をつぶやいた。


この街のあらゆる店から入店拒否されるなんて…。


まさか、お兄ちゃん?!


あの人なら、いろんな力やお金を使ってやりかねない。


どこの店にも入店拒否されれば、あたしが諦めて帰ってくるだろうと思ったんだろう。


そう考えると腹が立ってきた。


こんな事で負けてたまるものか!!


遊ぶ場所は、この街だけじゃないんだから。


電車に乗り込んで2個先の駅で降りた。


その街でも、どの店も入店拒否。


やっぱり、お兄ちゃんが何かしてるとしか考えられない。


ここまでやるなんて…。


あたしは、これからどうしたらいいのか?


遊ぶ場所も買い物も、食べる事すら出来ないなんて。


もしかしたら、ホテルも追い出されるかもしれない。


そう考えたら、急に目の前が真っ暗になった。


そうだ!!


尚吾って人なら、なんとかしてくれるかな?


ピンと閃いた。


ちょっと変わってるけど、友達関係広そうだし。


本当だったら頼りたくない人間。


だけど、ここでお兄ちゃんに負けたくなかった。


この際、利用出来るものは利用するしかないでしょ?!


急いで電車に飛び乗ると、元の街に戻ってきた。