そんな風に、何かにつけて怪我を引き合いにだされたら、私は逆らえなくなってしまう。 西園寺くんって、意地悪だ。 「くくっ、お人好しな奴」 「―――え?」 「いーや、何でもねぇよ」 そして帰り道も、西園寺くんと一緒に帰る。 そんな日々を何日か過ごした。 けれど最近、私の彼を見る目は少し変わってきていた。 いつの間にか、私は西園寺くんの事を前ほど怖いとは思わなくなっていた。 それは多分、時々彼が見せるちょっとした優しさに気付く様になったからかもしれない。