西園寺くんは、私の顔を見るなりニヤリと笑う。 「寺島じゃないか。お前こそ、何だよ」 そう言うと、ゆっくりとこちらに歩いてくる。 彼を中心とした他の男子達も近付いてきた。 「………」 怖い。 私は思わず動けなくなる。 楽しそうに笑う西園寺くんは私を壁に追い詰めると、バンッと音をたてて左手を私の顔の真横の壁に叩きつけた。 目の端に、クラスメイトの女子達が逃げて行くのが見える。 西園寺くんの目が私を射竦めた。