けれど、ここに居たって何も出来ない事に変わりはない。 例え何も出来なくても、怖さに震えてるだけなんて嫌だった。 私はお腹に力を込めて立つと、部屋を後にした。 部屋を出てしばらく廊下を歩くと、向こうから声が聞こえてきた。 「よっしゃ、も一発行け!」 「ははっ、ざまぁねぇのー」 そんなあざけ笑うような声と共にドカッ、ドスッと鈍い音が響く。 私は恐る恐る音が聞こえる方に近付いた。 そっと廊下から顔を覗かせたそこは工場跡の様な場所だった。