その日は、寒いけれど晴れた日曜日だった。





「―――寺島、今度俺のウチ来るか?」

そう西園寺くんが言ったのは、水曜日くらいの事だった。

「西園寺くんのお家?」

突然の話に、私は目を瞬かせる。

「そう、俺んち。夏乃子(かのこ)が一回会いたいってうるさくてさ」

カノコさんは西園寺くんの妹だ。

前に一度、西園寺くんと二人で文房具屋さんにいるのを見かけた事があるんだけど、すごく可愛い子だったのを覚えている。

そういえば私、彼女と間違えた事があったんだっけ……。

思い出して、恥ずかしさに顔が熱くなってくる。

「……寺島?」

「あっ、聞いてるよ!カノコさん、私も会ってみたいな」

そう言って笑ってみせると、西園寺くんは『そうか』とホッとした顔をした。

「じゃあ今度の日曜日どうだ?迎えに行くから」

「うん、分かった」