『明日、遊びにいかねーか?』



 昨日、帰り道に西園寺くんがそう言った。

私は驚きであ然としてしまったけれど、どうやら夢でも冗談でもなかったみたいだ。



私は隣に立つ西園寺くんを見る。

有名ブランドのジーンズに軽そうなダウン、マフラーは軽く巻きつける程度で防寒というよりはアクセサリーみたいだ。

癖のある黒髪は少しツンツンとしているように思う。


おしゃれだな……と見ていると、目が合ってしまった。

「―――ん?何だよ、寺島」

「あ、何でも……ない」

私はごまかす様に笑ってみせる。

私達は今、プラットホームで電車を待っている所だ。