「今日だって、疑いもせずにオレに付いて来たりしてさ。また何かに巻き込まれるとか考えなかっただろ」
「あ……」
言われて気が付く。
いつもなら怖くてたまらない状況なのに、どうして今平気なのかな?
もしかして、西園寺くん達で慣れてきちゃったのかも。
「とにかく、気をつけろよ?西園寺は敵、多いぞ」
『またな』
そう付け足して、陽二さんはその場を去った。
一人取り残された私は、家路を急ぐ人達の中でぼんやりと考えていた。
西園寺くんを好きでいるという事は、そういう危険と隣り合わせって事だよね。
大丈夫かなぁ?私。
心の中でそう問いかけても、正直言って自信がなかった。



