一通りあいさつを終えた。 なのに…奏太くんと会ってない。 自分の弟の結婚式に遅刻…なんてことはないよね? 「奏太、来ないわねえ」 「そだね…」 「…じゃあ席着こっか。もうすぐだし」 「うん」 やっぱり遅刻…? それとも事故…? そんな考えがぐるぐる頭ん中回りながら、お母さんの隣に座る。 「あ、咲ここじゃない」 「えっ」 「あっち」 お母さんが指したその先は、一番後ろの席。 お母さんとあたしが離れて座るのに少しびっくりしたけど、その隣に奏太くんがいることのほうがびっくりした。