その日、奏太くんとあたしは何事もなく終わった。
ただ1つだけ変わっていた。
―――――――
「じゃあそろそろ帰るよ、咲。」
「はあーい」
自分の気持ちに素直になるってこんなに大変だと思わなかった。
おばあちゃんの仕業か神様の仕業かわかんないけど、あたしの隣の席が奏太くん。
受験の話とかしてても気になるのは奏太くんだけ。
何回「好き」って言いそうになったかわかんない。
「じゃあ咲、高校合格したら連絡して」
あたしの気持ちなんかしらない奏太くんはあたしの頭に簡単に手を置く。
「奏太くんの連絡先しらないから連絡できないしー」
ちゃんと親戚の子みたいに聞けたかな?

