14歳にして、長身の躰が私の両腕の中にぎゅっと収まっている――香水とも異なる甘い蜜の香りをくゆらせて、私の首に両手を絡ませるアリス――。


「こちらこそ、よろしくね――アリス――」


 他の誰にも聞き取れない声で、アリスの香りを楽しみながら耳元で囁いた。


 私は両腕の力を増してアリスをより強く感じた――アリスも抵抗しない。


 初めて得る特別な快感に、しばらく酔い浸り、心の奥で語った――。




「そう――今、この時から私は蛹から羽化したのだ。虹色の翼を広げ私は飛び立つ――彼女達の輝きと愛に満ち溢れた素晴らしき――」




「新世界へと――」