憂鬱なる王子に愛を捧ぐ


思ったよりあたし達は誠夏祭を満喫していたらしい。
腕時計は、いつの間にやら19時を差していた。

打上げ場所へと辿りつけば、そこには忙しそうに準備を行う原さんたち花火師の人たちと、待ちくたびれた様子の千秋がいた。

「遅ぇよ。なんだ、ふたりでイチャついてたわけ?」

「……光太郎と一緒じゃなかったの?」

「見回り終わって、光太郎は現場誘導のほういってる」

簡易テーブルに置かれたウーロン茶と、お好み焼きが三人分。多分、千秋が買ってきてくれたのだろう。触れれば、まだじわりと温かかった。