あたしの足はまるで魔法にでもかかったかのように、ベッドに向かって進む。


「素直だな」



あたしがベッドに入ると石山君は嬉しそうに言う。



「だって……」



さっきのは反則だよ。
途中まで俺様口調だったのに、いきなり優しい口調になるとか。
しかも、笑顔で。



それに……名前で呼ばれたの初めてだもん……。



「もー、離さねぇ」



そんなセリフとともに、石山君はあたしを強く抱きしめる。