『黒星!裏から一人くるぞ!それと後一人は前』

「ok」

ヘッドホンからの指示の声が飛ぶ。

耳を澄まし足音を聞き逃さないようにしつつ、クリアリングをしていく。

ここは住宅街をモデルにした【戦場】だ。

今俺のいるチームは俺だけ生き残り、相手チームは二人生き残っていて挟まれている。

俺の兵種はスナイパー。相手はライフルマンとスナイパー。

・・・・じゃり。

後ろから砂を踏む音が一度だけ聞こえた。

即座に反応し、振り返りながらスコープを構え、敵がくるであろう道に照準を合わせる。

どんぴしゃのタイミングでライフルマンが現れ、手に持っているアサルトライフル、AK47が火を吹き始めた。

バッバッバッバッ

バシューン

乱射される度に聞こえる高い銃声は一発の重低音が鳴り響くと止んだ。

「まず一人」

重低音は俺の使っている銃のAWMの発射音だ。

ガッキィンッ!

とすぐ横のドラム缶に銃根がつく。相手のスナイパーの一撃だ。発射音からしてTPGだろう。

相手は俺を見つけて焦って撃ったのか、手元が狂ったのか。俺にはチャンスが巡ってきた。