と会話をしているうちにバスが到着。
「さて行きますか。桜、おんぶと姫様だったら?」
「おひ・・・・おんぶ」
お姫様と言いかけ人前は恥ずかしいのかおんぶといい直す。
「御幸、車椅子頼む」
「おけー」
「よし桜手を回せ」
「うん」
桜さんの前にしゃがんだ御幸君の首周りに細くしなやかなな両手を巻き付け、体を背中に預けた。
それをしっかりと受け取った御幸君は立ち、バスに乗り込む。
車椅子はたたみ、幅をあまりとらないようにしてから暁君が持ちバスへ。
その後ろから私は乗り込んだ。
バスの中の座席はほとんど埋まっていたが、一つだけ後ろの方の二人席が空いていたらしく、御幸君が桜さんをゆっくりと席に座らせようとしているところだった。
たまたま見えた桜さんの顔は少し残念そうな顔をしていたが、私以外は気づいてないだろう。
私と暁君はとりあえずその席の近くに並んで立つ。
バスのドアが閉まり動き始めるが少し時間が押しているのか急にスピードがあがる。
「あっ。」
なにもつかんでいなかった私は慣性の法則により進行方向とは逆に体が流された。