「あ、初めまして桜です。よろしく」

「依紗那です。よろしく。」

軽く挨拶を交わしたところで、暁君が話しを切り出した。

「よし、まだ早いがバス停に行こうぜ?その方がいいだろ」

異論は誰もなく、歩き出す。

バス停は校門から歩いて五分のところにあり、日曜日だからか、お年寄りも学生の方が多く並んだいる。

「やべーな席があいてればいいが」

「確かにな。席があいてなかったら桜はどうすんだ御幸?」

「お姫様だっこかおんぶして立ってるしかないな」

その言葉を聞くや桜は顔を赤くして怒鳴る。

「は、ちょふざけんな!何で人前でそんな体勢してなきゃならないの!?」

「いや家ん中じゃいつも・・・」

「だから人前でだよ!恥ずかしいでしょうが!」

家の中の生活を聞いてみたいがあまり関わらない方がいいのだろうな。

私は気の聞いた言葉も言えないだろうし。

「ふつーに車椅子に座ってちゃだめなの!?」

「周りに迷惑だろ。なぁ暁」

「まぁ確かにな。そんときは桜ファイト」

「うー!恥ずかしすぎる」