短編集



とうとう順番が来て、一番前の席に座る。

するとスタッフが安全バー?みたいなのを下ろして落ちないように固定する。

この何かよくわからない乗り物はやはり少し不安。

乗ってからも手をずっと握ってしまっている。

動き始めた。

一番始めは山のように高くなっている坂を上っていく。

てっぺんについたら急行下。

その勢いのまま、回って、捻れて、下って、上がっての繰り返し。

私たち以外の人たちはキャーとかワーと叫んでいる。

1、2分だっただろうか。とりあえず乗り終えた。

「ん~~やっぱスカッとするぜー」

と体を伸ばしながら暁君は言った。

「どうだった?」

と私に感想を聞いてくるが、よくわからなかったのが事実。

「わからない。」

「はは、そうか」

そういって私の手を握り、

「ま、とにかくいろいろ乗ろうぜ?」

そういって私を引っ張りながら歩く。

違う形のジェットコースターに乗ったり、

回るコーヒーカップに乗ったり、

よくわからない仕掛けのしてある暗い部屋に入ったり、

室内のジェットコースターに乗ったり、

途中レストランで昼食を取ったりと、していたうちに3時を回った。

「お、もうこんな時間かんじゃ最後にあれ乗ろうぜ?」

そういって指差したのは円状にゴンドラが並んでいてそれが回転している、観覧車と呼ばれる乗り物だった。