「 コレを見て泣いた奴、もう一人 いたなー 」 服の上から傷口を押さえて へらっと笑う。 張り付いた笑顔は以前より増して ”悲しみ”が滲み出ている気がした。 「 龍を知れば知るほど 虚しくならなかった? 」 「 ・・・え? 」 「 何で攫ったのか聞いたんだろ? 」 ───────あの時、 首を掴まれた時の感触。 普段、人に触られることのない 場所だからか、背筋が凍った。 ”違和感”に気付いたときには 私の感覚はとっくに麻痺してた。