「 もう大丈夫だよ 」 手が離れて振り返ると 一輝は、俯いて 片手で顔を覆っていた。 「 一輝? 」 再び沈黙を破ると 一輝はゆっくり顔を上げた。 「 ツバサ 」 「 うん? 」 「 逃げろ 」 冗談には聞こえない。 真剣な表情と、声。 一輝は部屋から出て行くと ”私の荷物”を持って 戻ってきた。