龍一の困った顔を見ても 勝手に、口が開いてしまう。 「 ・・・・・好き、好き・・・好きなの・・ッ 龍一じゃないとだめなのッ・・!! 」 あの時、”寂しかった”って 言っておけばよかっただとか ”好き”ってもっといっぱい 言っておけばよかっただとか 言葉足らずの私の後悔は そんなことばかりだった。 「 も、やだよ・・・・行かないで・・ 置いて行かないで・・・ 」 呼吸が乱れて、 体から力が抜けて、 龍一の服を掴んでいた 私の手はズルリ、と落ちた。