口に当てられていた手は いつの間にか引っ込んでいて 両手で包帯を巻かれていた。 「 ちょっと大袈裟にしとかないと 龍は反省しないから 」 苦笑していたけど あの人は反省なんて しない気がする。 手当てが終わって 私はまた仰向けに寝て 布団を顔の半分まで被った。 「 ツバサちゃんさ、帰りたいとか 思わないの? 」 後片付けをしながら 不意にそんなことを聞かれて 「 まだ高校生くらいでしょ 」 答える前に、男は次々と 私に質問を投げつけてくる。