反射的に大声を出そうと
口を開けるとすかさず
男が後ろから手を当ててきて




「 別に俺は襲いにきたわけじゃ
  ないんだよー 」




頭上から、やっぱり
笑いが落ちてきた。




「 ・・・にしても、龍ってほんと
  力の加減を知らないのかな 」




自分の目では見えない背中。
腫れていること以外は
私は知らない。




「 まーでも、痣でよかったね? 」




”きっと傷は残らないよ”
男はそう言うと、そっと
私の背中に触れた。





「 っや・・・! 」





冷たい薬を、塗られて
小さな刺激にさえ痛みを
感じてしまう。