「 ・・・早く、起きてね 」 正直、傷なんか治らなきゃいいと 思ってた。 龍一のために”治したい”。 龍一が目を覚ましたときに 無傷の私が居られるように。 だけど、傷が治れば私はここに いる意味がなくなる。 また龍一から離れなきゃいけなくなる。 「 龍一、聞いてるの? 」 ────────目を覚まして、龍一。 私の声が聞こえるなら、早く。 少し傷の残った私を見て 夢の中で言ってくれた言葉を もう一度、顔を見て言ってよ・・・。