「 いいね、その顔 」




顎を放されて、
男から目を逸らすと
あの人にされたように
頬を包まれて




──────チュッ・・




静まり返った部屋に
リップ音が響いた。




「 あ、約束破っちゃった 」




ヘラっと笑う男から
目だけじゃなく、顔も
逸らした。




「 俺、中学ん時は保健委員でさー 」




バサッ




「 喧嘩して怪我した奴の手当てとか
  任されてんだよねー 」




胸元まで捲った毛布を
今度は全部剥ぎ取って
仰向けだった私の体を
うつ伏せにした。