「 今なら、行けるのか? 」


「 ああ、二人を迎えに行って
 そのままリカの所に行こうと
 思ってたんだよ 」


「 だからここに? 」






”おう”
龍一の返事が、やけに
近くで聞こえて顔を上げると
いつの間にか龍一は私のすぐ
目の前まで来ていた。







「 歩いて一時間かかる。
 その間に、お前に全て話したい 」


「 ・・・龍一 」


「 聞いてくれるか? 」







座り込んだ私を抱き上げながら
少し不安そうな表情を見せた。









「 ・・・聞きたい 」





そう言って抱きつくと、
強く抱きしめ返してくれて
”ありがとう”
聞こえた言葉に、また涙が出た。