暗くてよく分からなかったけど
優斗さんには分かったらしく
龍一は自分の体を眺めながら
”汚ねー”と呟くと
優斗さんと宥めてから
「 聞きたいことあるんだろ?
答えるから聞いて 」
本題に入った。
優斗さんはドカッ、と傍にあった
鉄骨の上に座ると、キッ、と
龍一を睨み上げた。
「 この二週間、何してた 」
「 ケリつけてた 」
「 何の? 」
「 アイツの墓に行けるように
俺が今やらねーといけねーことを
片っ端から片付けてた 」
”アイツ”っていうのは
たぶん、リカだ。
今もまだ、何かを抱いて
後悔してるの、なんて
聞けるわけもなく
私は呆然と二人のやり取りを
聞いていた。