「 美優、こっち向いて 」 ─────────カシャッ 私の携帯で、私を撮りだした。 「 ちょっ!違う! 」 「 なにが? 」 「 花を撮りたいの! 」 ”私じゃなくて!” そう言うと、ニッ、と口角を 吊り上げた一輝の目が私を見て 「 嫌だ。これ送ってね? 」 そう言って、それから何度も 呼ばれては撮られて、騙され続けた。