チロリ、と睨まれて
泡だらけの顔を洗いに戻った。
その後 優斗さんの唸るような
声が聞こえた気がしたけど
聞こえなかったことにして
私は自分の身支度を進めた。









「 ・・・・遅い 」






玄関のドアにもたれかかって
腕を組んで待つ一輝が私を睨む。
けどそんなのはすぐに








「 可愛いから許すけど 」






こんな感じでなくなる。
ニコッと笑った一輝が私の
腰に腕を回して自分の方へ
引き寄せると、優斗さんに






「 さんきゅーな 」





不器用にお礼を言いながら
私たちは家を出た。