「 言われた通り、女の子を
  保護してきたよ 」




泣き疲れて眠る実優ちゃんの
体をそっと引き寄せて、
ゆっくり横向きに寝かせる。





膝の上ですやすや眠る
無防備な美優ちゃんの
髪を撫でながら、携帯を
耳に押し当てた。





「 これから俺はどうすればいいの? 」





受話器越しに聞こえた小さな
ため息は押し殺した泣き声にも
聞こえて、俺は黙って返事を待った。











「 ・・・守っといて 」


「 は? 」


「 匿ってやってほしい 」







今まで一度も頼みごとをしなかった
一匹狼の最初の頼みごとは、子守だった。