逃げろって言ったり、逃げるなって 言ったり。 「 俺の傍にいろよ・・・ 」 私が諦めようとすると、 諦めるなって無茶を言う。 弱ってるときに散々優しくするくせに 少し抵抗するとこれでもかってくらい 痛い目にあう。 「 リカのこと、聞いたんだろ? 」 龍一も、一輝も。 むちゃくちゃに人を困らせて それでもまだ、悩ませる。 「 一輝に、聞いたのは私だよ? 」 「 分かってる 」 しばらく黙り込んだ龍一は、 私から体を離した。