「 ・・・アゲハ 」 変な、名前だな。って 思ってた。 自分の名前を忘れそうになるくらい 何度も呼ばれた名前。 「 逃げるな 」 伸びてきた彼の手は、私の背中に 回されて、痛いくらいに強く 抱きしめられた。 この家の人は、酷い。 「 ・・・泣くな 」 泣かせるようなことをするくせに 泣くなって言う。