「 アゲハ、 」 ハッ、と顔を上げると 水の入ったコップを片手に 私の顔を覗き込む龍一がいた。 「 どうした 」 「 え? 」 「 何、泣いてんだ 」 いつもと変わらないようで、 いつもと全く違う。 私が彼を見る目が? 彼が私を見る目が? この人から、逃げるんだ。 「 りゅ、いち 」 「 なに? 」 じゃあ、その前に─────..