――――――ガチャッ 傷の痛みに全神経が 集中していたせいか 部屋のドアが開くまで “その人”が来たのが 分からなかった。 「 ツバサ…? 」 彼に背を向けているから 彼の表情なんて わからない。 けど、絞り出すような 掠れた声で 彼の表情なんて見なくても分かった。