【佳奈SIDE】 私は、雷斗君の手を無理矢理引っ張って 観覧車に乗り込んで、 今、向かい合わせに座っている。 「…で、何?」 雷斗君の声は冷たい。 愛花ちゃんにする声とは全然違う。 何でなの? 私のが…この人を好きなのに。 田中君もそう。 田中君も愛花ちゃんを見るときと私を見る時の顔が違う。