「特に何も話すことないよねー」
「だな、でも、今いっても寝れねぇし…」
「一緒に寝る…?」

何の気なしに言って、慌てて、冗談だけど!!と付け足す。ハルといると、そわそわして落ち着かない。何かがせりあがってくるみたいな、でも、つなぐ手、触れあう肌は、心地いい。
その不思議な感覚がたまらなく好きだ。


「そういうことは、冗談でも言わないで…理性、利かなくなる」

近づいた顔があまりに綺麗で、心臓が止まりそう。

「なぁーんてね?…キス期待した?」

唇が近づきそうな距離になって、そんなことを言われ、からかわれたことに気づく。

「うるさいなぁ!!もう!」
「好きだよ。」
「うん、」

心臓がうるさいくらい鳴ってる。


―キィィィン

突如、頭の奥に響いた甲高いその音は、心臓の音よりも高い。
楽しいこの時間の終わりを告げる音。

―いらっしゃい、
もう準備は整ったわ…

私を呼ぶその声は、何度も聞いた。

「ハル、私、行かなくちゃ」
「は?」
「サリサが呼んでる」