夜はやっぱり冷える。
結局何も起きず、私とハルは家に着いた。
「アイリス変だったねー」
私は言う。本当は、なんとなく私にもわかっている。私の中に眠るサリサの意識がもうすぐ目覚めること。そして、その時に私は決断をしなければいけない。正しい決断を…でも、正しいって何が?
お母さんたちを起こさないように静かに部屋に入ると、ハルが私の手をつかむ。外の温度でひんやりとした手の感触が現実感を私に与える。
「え…?」
「あ、…と」
手を掴んだ本人のハルも何も考えていなかったらしい。コイツのこんな戸惑った、というか間抜けな顔を見たことがあるのは一体どれくらいいるんだろう?
そんな顔をさせているのが私だということが、なんだか嬉しくて。
「ちょっとだけ。私の部屋で、話する?」
「それ、は…俺が男だってわかってる?」
「そん時は、もちろん叩き出すけど。」
そして、ハルを招き入れる。私はベッドに腰かけ、ハルはクッションの上にあぐらをかく。
結局何も起きず、私とハルは家に着いた。
「アイリス変だったねー」
私は言う。本当は、なんとなく私にもわかっている。私の中に眠るサリサの意識がもうすぐ目覚めること。そして、その時に私は決断をしなければいけない。正しい決断を…でも、正しいって何が?
お母さんたちを起こさないように静かに部屋に入ると、ハルが私の手をつかむ。外の温度でひんやりとした手の感触が現実感を私に与える。
「え…?」
「あ、…と」
手を掴んだ本人のハルも何も考えていなかったらしい。コイツのこんな戸惑った、というか間抜けな顔を見たことがあるのは一体どれくらいいるんだろう?
そんな顔をさせているのが私だということが、なんだか嬉しくて。
「ちょっとだけ。私の部屋で、話する?」
「それ、は…俺が男だってわかってる?」
「そん時は、もちろん叩き出すけど。」
そして、ハルを招き入れる。私はベッドに腰かけ、ハルはクッションの上にあぐらをかく。


