「とぼけちゃって……、“共鳴者”って、何?…わたしが化ケ物になりかけた時、咲ちゃんが咲ちゃんじゃなかった。あの時、気を失っちゃったけど、少しは聞こえてたんだよ、二人の会話。」
隠せない、そう思った。秦野は頭もカンも良いし、少しでも疑念を抱くと納得するまで誰にも誤魔化されない頑固者だ。
「あいつは、この図書館の母体、サリサの“共鳴者”あいつはサリサと等しい魂を共有するただひとりの人間。」
「どういうこと?」
「つまり、あいつの身体を共有できるんだよ、サリサはあいつを乗っ取ろうとしてる」
「!!」
あたしは最期を全うするの。
あの時のサリサの言葉が頭に響く。胸騒ぎが次第に大きくなっていくのがわかった。
―…
眠ったと思った目の前の咲に抱きしめられてアイリスは体勢を崩しかける。
「ひさしぶり…アイリス」
「さ、サリサ様…?」
あの時と同じ変わらない微笑みを頷く代わりにもらす。身体は咲なのに記憶のなかのサリサと重なる。
「…やっぱりいらっしゃったんですのね?」
「えぇ…」
髪を面倒そうにかきあげる、その仕草もサリサそのもので、思わず息を飲んだ。
隠せない、そう思った。秦野は頭もカンも良いし、少しでも疑念を抱くと納得するまで誰にも誤魔化されない頑固者だ。
「あいつは、この図書館の母体、サリサの“共鳴者”あいつはサリサと等しい魂を共有するただひとりの人間。」
「どういうこと?」
「つまり、あいつの身体を共有できるんだよ、サリサはあいつを乗っ取ろうとしてる」
「!!」
あたしは最期を全うするの。
あの時のサリサの言葉が頭に響く。胸騒ぎが次第に大きくなっていくのがわかった。
―…
眠ったと思った目の前の咲に抱きしめられてアイリスは体勢を崩しかける。
「ひさしぶり…アイリス」
「さ、サリサ様…?」
あの時と同じ変わらない微笑みを頷く代わりにもらす。身体は咲なのに記憶のなかのサリサと重なる。
「…やっぱりいらっしゃったんですのね?」
「えぇ…」
髪を面倒そうにかきあげる、その仕草もサリサそのもので、思わず息を飲んだ。


