「っ…、ごめんね、アルザ巻き込んじゃったみたいで」
「大丈夫だよ、サリサがいるからね」
森の中を散歩していると、何者かに襲われた。急に斬りかかる者、銃など飛び道具を使う者もいるらしく、油断ならない。
目的はあたしだけでしょうに…!!
銃声のせいで鳥たちがとびたっていく。
不意にきたどん、という衝撃にサリサは目を見開いた。その後、アルザが突き飛ばした衝撃だと理解する。アルザに触れていた手のひらに赤いべとりとした感触に息を吸い込んだ。
「ぁ…」
「ねぇ、サリサ。おれは君が大好き、だよ…」
心臓が鷲掴みにされたみたいに息が止まる。
アルザは苦しそうに息を乱しつつ、それでもこちらに笑いかける。
「ぁ、アルザッ!!」
「…サリサ、そんな顔しないで」
苦しいなぁ…と呟いて、頬を撫でるその手をサリサは震えながら掴んだ。
「君を見かけたのは、…夜会の時だった、最初は興味だったんだ…、ただの。アーベル様が造られたと有名な美しい、リリィ」
あぁ、知っていたのか。
アルザは全てを知って、傍にいてくれたのか。
いつのまにか、アルザが目的だったらしく、まわりの気配が消えていた。
それでも、君は、そう言ってアルザは言葉を区切る。
「君はリリィなんかじゃない、サリサだ。この世界でただ一人の…」
血がどくどく溢れて、おさまることがない。今まで見たよりも鮮やかな赤の新しい血が流れて。
「ごめ、ん…」
「ぃや、…おいてかないで…っ」
「」
あ、い、してる
アルザの口がゆっくり動いた。その言葉は音には全くならなかった。
「あ、あああ…ぁ」
涙は、置いてかれてしまったという恐怖に負けて、出てこなかった。
―…
「大丈夫だよ、サリサがいるからね」
森の中を散歩していると、何者かに襲われた。急に斬りかかる者、銃など飛び道具を使う者もいるらしく、油断ならない。
目的はあたしだけでしょうに…!!
銃声のせいで鳥たちがとびたっていく。
不意にきたどん、という衝撃にサリサは目を見開いた。その後、アルザが突き飛ばした衝撃だと理解する。アルザに触れていた手のひらに赤いべとりとした感触に息を吸い込んだ。
「ぁ…」
「ねぇ、サリサ。おれは君が大好き、だよ…」
心臓が鷲掴みにされたみたいに息が止まる。
アルザは苦しそうに息を乱しつつ、それでもこちらに笑いかける。
「ぁ、アルザッ!!」
「…サリサ、そんな顔しないで」
苦しいなぁ…と呟いて、頬を撫でるその手をサリサは震えながら掴んだ。
「君を見かけたのは、…夜会の時だった、最初は興味だったんだ…、ただの。アーベル様が造られたと有名な美しい、リリィ」
あぁ、知っていたのか。
アルザは全てを知って、傍にいてくれたのか。
いつのまにか、アルザが目的だったらしく、まわりの気配が消えていた。
それでも、君は、そう言ってアルザは言葉を区切る。
「君はリリィなんかじゃない、サリサだ。この世界でただ一人の…」
血がどくどく溢れて、おさまることがない。今まで見たよりも鮮やかな赤の新しい血が流れて。
「ごめ、ん…」
「ぃや、…おいてかないで…っ」
「」
あ、い、してる
アルザの口がゆっくり動いた。その言葉は音には全くならなかった。
「あ、あああ…ぁ」
涙は、置いてかれてしまったという恐怖に負けて、出てこなかった。
―…


