嵐の次の日は能天気な青空、恨み言を言ってしまいたくなる青が目に染みる。
「はぁぁぁ…」
「すっごいため息」
隣で笑う多季をアイリスはきっ、と睨む。
アイリスはサリサとアルザが出掛けているので、その間に玄関の掃除中だ。
ぶんっ、と箒の柄を多季に向けあのねぇ、と言った。
「お二人の事を心配なさりませんの!?…だってこうしている間にも」
泣きそうに歪むアイリスの顔を見ていたくなくて、多季は抱き寄せた。
アイリスは周りをとても大事にしている、自分の大切な居場所を。
「大丈夫だから、」
「何がですの!!…多季だって、居なくなってしまうでしょ?」
「居なくならないよ」
目を細くして笑った。
「私はっ…!!」
多季が顔をあげ、でも行かないと、とアイリスから離れていく。
すかさずアイリスはその手を掴む。
「行かないで、嫌な予感がするんです…」
多季は悲しそうに笑ってゆっくりアイリスの手を放す。ごめんね、そう聞こえた気がした。
多季は走っていく。そう言えば、彼も魔質持ちだった。
「何を、みんな隠してるの?」
からん、と箒が手から滑り落ちた。
―…
「はぁぁぁ…」
「すっごいため息」
隣で笑う多季をアイリスはきっ、と睨む。
アイリスはサリサとアルザが出掛けているので、その間に玄関の掃除中だ。
ぶんっ、と箒の柄を多季に向けあのねぇ、と言った。
「お二人の事を心配なさりませんの!?…だってこうしている間にも」
泣きそうに歪むアイリスの顔を見ていたくなくて、多季は抱き寄せた。
アイリスは周りをとても大事にしている、自分の大切な居場所を。
「大丈夫だから、」
「何がですの!!…多季だって、居なくなってしまうでしょ?」
「居なくならないよ」
目を細くして笑った。
「私はっ…!!」
多季が顔をあげ、でも行かないと、とアイリスから離れていく。
すかさずアイリスはその手を掴む。
「行かないで、嫌な予感がするんです…」
多季は悲しそうに笑ってゆっくりアイリスの手を放す。ごめんね、そう聞こえた気がした。
多季は走っていく。そう言えば、彼も魔質持ちだった。
「何を、みんな隠してるの?」
からん、と箒が手から滑り落ちた。
―…


