「毎年来てるの?」

外に出てから和泉に聞くと「まぁね」と言う返事。
…てか、どこ行くか、もうそろそろ教えてくれたっていいんじゃない?

特に話すこともなく、私は下を向きながら遅れないよう和泉の後ろを歩いていると、

「着いた」


急に立ち止まるので、和泉の背中に顔をぶつける。

いたぁ…。

「ここ…」


顔をあげると、着いたのは墓地らしく、お墓が目の前に連なっていた。

「母さんの墓なんだ」


指差した墓は和泉香苗の墓と読めた。その墓には真新しい花がさしてあり、特に汚れもなく綺麗だった。和泉はその中でも萎れてしまったものや枯れてしまったものを買ってきた花といれかえた。


私は和泉にならって黙って手をあわせた。

どんな人だったんだろう?