「わ、5駅先なだけですごい風景違うんだね」


私たちの住んでいる場所は新興住宅地でにぎやかだけど、朝日駅は静かなのんびりとした印象。
緑が多くて駅のまわりに何もないからだろうか?


「来たことないか…、あ、花屋に寄っていい?」

「うん。…いいけど」


ここ、と和泉が駅の近くの花屋に入る。

「いらっしゃい」

はきはきとしたいい年の小柄なおばちゃんがむかえてくれた。

「この花と、あと…」


小さい花屋だけどノームの置物や絵が飾ってあったりインテリアにも気を使っているらしい。

「毎年来てるわよねぇ」

おばちゃんは和泉に話しかける。…毎年?

「はい、…あ、ありがとうございます」

「いーのよ、毎度ご利用ありがとうございます」


ひらひら手を振りながら、おばちゃんが言った。