ガッと鈍い音が響く。遊ぶように躍るように俺を蹴る。

「…なん、なんだよ…、共鳴者って…!!」

「強いて言えば、器。…あの時への僕なりの懺悔のためには必要なものでね…」


器、懺悔?

「明日、一つの区切りを迎えるかなぁ…、その時は、騎士くんとして、働いてよね?」


美しい笑みを零した、多季の身体はスウゥゥッと薄くなっていく。

「…おいっ…、どこいくんだよ?!」

「また会おうねー」


丁度吹いた風にのるようにきえてしまった。

「大丈夫…じゃ、ありませんよね?」

声の主を目だけ上げて確認すると、アイリスが仁王立ちしていた。