本と私と魔法使い

「あのさ、」

羽津に急に話しかけられ、はいっ、と声が裏返る。


「付き合ってるの?」


ツキアウ?

私の頭の中の漢字変換がうまくいかない…って、あ、


"付き合う"か!

「誰が誰とよ?!」

「委員長と、和泉さ…」

「なんで?!」


その言葉にどきっと心臓が跳ねた。


「そうとしか思えないけど」

私の大声にびっくりしたのか耳を痛そうに押さえている。

「付き合ってないよ」


キス、はしたけど。
頭の中で過るのをノーカウントだって!!と制する。